(no subject) 2011/12/02__18:44

ACL：グレッグとコニー

　「不毛だな」
　「不毛よね」
　彼と彼女の会話はどこまでいっても噛み合わない。
　求めているものが違うのだ。
　コーラスに入りたい彼女と、コーラスから引きずり出したい彼。
　未練のない彼女と、思い出の中にいる彼。
　すれ違う会話は同じことを話しているようで、その実、違う次元に存在している。
　彼女の道と彼の道は向かいあってはいるけれど、絶対に交差することはない。
　「本当に、不毛よね」
　隣から聞こえた声にグレッグは頷いた。
　「もっと生産性のある会話できないのかしらね」
　何もうまない関係ほど不毛なものはない。
　うんだとしても、それが虚しさや寂しさなら、うまないのと同じだ。否、もっと酷いかもしれない。それは何もうまないというより害をうむのだから。
　「――……僕らもそうかな」
　友人といえばきこえはいいけれど、実際はただの腐れ縁。
　愚痴を言い合うだけのなかだけれど、それが丁度いいと思っている。
　傷を舐めあうだけの関係からは、やはり何もうまれない。むしろひとりでいる寂しさを実感するから最悪だ。
　「同病相憐れむってやつじゃない？」
　「何それ？」
　「同じ立場の人間じゃないと同じ苦しみはわからないのよ」
　「ふうん」
　共有できるものがあるなら、それを守っていけばいい。
　なら、このままでもいいのかもしれないな。とぼんやり思った。









END







人妻とゲイ、その……多分5くらい。
oneのリハでのキャシーとザックがやりあった後の何かというかタップコン直前あたり？