あとがきとかメモとか諸々。
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CFY:ボビーとユージーンとランク
※非常に下品です。
CFYのイメージくずしたくないー!という方はご遠慮ください。
何があっても笑って許せる、心の広いオトナの淑女の方のみどうぞー。
※非常に下品です。
CFYのイメージくずしたくないー!という方はご遠慮ください。
何があっても笑って許せる、心の広いオトナの淑女の方のみどうぞー。
*****
「何事も愛情をもって行うことが大切です」
と、彼はいった。
「こちらの思っていることはなんとなく向こうに伝わるもんです」
「そりゃあ、まあ」
「最初は『嫌だ』と向こうは思うかもしれませんが、これは必要なことだとはっきりわからせるんです。そのためには愛情が必要です」
「それもそうだ」
「根気良く、何度も何度も教えこめば、そのうち必ずわかります」
「本当に?」
「嫌でも身体が覚えます」
「そうかなぁ?」
「そのためには、まず自分自身をしっかりと相手に覚えさせることです。時間をかけてもいい。大きさ、かたち、臭い――きちんと覚えて、わかるようになれば、そのうち向こうから自然と顔を寄せてくるようになります」
「どのくらいかかることやら……」
「それは当人達次第ですね」
ケース・バイ・ケースですよ。
と、微笑うと、彼はカウンターの上に広げた本のページを繰った。
「そうそう、事前に処置をして、馴らせておくことも忘れないで」
「……ちょっと可哀想じゃないかな」
「可哀想でも仕方ありません」
「でも、あんなの打ちつけたら痛そうだよ?」
「確かに痛みはあるんでしょうが、それは一時的なものです。後々、変なふうに傷付けて、痛めてしまうよりは余程いい」
「ああ、そうか」
「ある程度馴れてきたら、ここからが勝負です」
彼は急に真顔になった。
「大人しくさせて、首輪をかけさせればこちらの勝ち」
「首輪…………必要かな?」
「ええ、もちろん。これは、お互いが接するためのルールです。相手に自分の優位性というものをきちんと教えこまないと。この先、自分のいうことをきちんときかせるように、ね」
「なるほど」
「主導権は常にこちらがもつということを叩きこむんです」
「鞭は使わないの?」
「これからですよ。少し抵抗してくることがあるかもしれません。そういうときには鞭は効果的です」
「ああ、そうやって教え込むわけ」
「そう。でも、鞭にしたって、同じです。振るうときは、愛情をもって振るわないと」
「愛の鞭?」
「ベタですが」
苦笑し、続ける。
「『これは君のためにすることだ』、とわからせることが大事ですね」
「ああ、だから愛情が必要なわけ?」
「そのとおり」
「おい」
と、ふいに低い声が響いた。
入り口にはいつのまにか、ここのオーナーが立っている。両手で山ほどの荷物を抱えているところをみると、買い出しにでも行っていたのか。どうりで朝から見かけなかったはずだ。
「てめえら、何卑猥な会話してやがる」
「卑猥?」
何の話?
それおいしいの?
とでもいいたげに、二人は顔を見合わせた。
「しらばっくれんな!!」
と、酒場兼ホテル兼カフェのオーナーは怒鳴った。
「さっきから黙って聞いてりゃあ、よくもまあ……ここは、俺の店だ!品位を下げるな!不穏当な会話すんならよそでやれ!!」
その言葉に英国紳士は肩を竦めると、意味深な笑みを残して、「では、私はこれで」と、席を立った。
「別に何も不穏当な話なんてしてないけど?」
「黙れ」
と、店主はとりつくしまもない。
「なあ、ボビー。今の会話を真っ昼間から素面でできるなんて正気か?ええ?」
「え?あ、うん?」
「毒されてんな、おまえ」
あの英国紳士が得体の知れない人間だということは十二分に承知していたけれど。
限度がある。
これは予想の範囲外だ。
「どこをどうしてあんな会話に流れついた?」
頼むから常識的な回答をしてくれ。
と、内心で重い溜息をつきながら、酒場兼ホテル兼カフェのオーナーは、新入りの元銀行のボンボンに訊いた。
「馬、育てようと思って」
馬。
奇蹄目ウマ科。哺乳類。
「う、ま…………?」
「うん。馬。せっかく西部の広いところにきたんだし。どっちかっていうと、乗るための馬ね。農業用じゃなくて」
「…………」
「みんなに訊いても、『勘』とか『そのうち馬の気持ちがわかるようになる』とか、ロクな答えが返ってこないんだよなー」
なんぞというこたえは、既にランクの耳には入ってなどいない。
「ああ、そうだ」
ふと、階段の途中まで行っていたユージーンは、引き返してきて、手にしていた本をボビーへと差し出す。
「これ、御参考までに」
「あ、どうもー」
渡された本の表紙にはばっちりと『馬の育て方』と書いてある。
「卑猥なのはどうやらあなたの頭の中のようですね」
ランクに向けて、これ以上ないというくらいにこやかに微笑むと、英国紳士は再び軽やかに階段を上っていった。
end
なんのオチもないままにおわる。
ぜってー、確信犯だと思うんだ、ユージーンは。
オチがばれてしまうのでどうしても使えなかったんですが、正しくは「首輪」じゃなくて「轡」ですね。
と、彼はいった。
「こちらの思っていることはなんとなく向こうに伝わるもんです」
「そりゃあ、まあ」
「最初は『嫌だ』と向こうは思うかもしれませんが、これは必要なことだとはっきりわからせるんです。そのためには愛情が必要です」
「それもそうだ」
「根気良く、何度も何度も教えこめば、そのうち必ずわかります」
「本当に?」
「嫌でも身体が覚えます」
「そうかなぁ?」
「そのためには、まず自分自身をしっかりと相手に覚えさせることです。時間をかけてもいい。大きさ、かたち、臭い――きちんと覚えて、わかるようになれば、そのうち向こうから自然と顔を寄せてくるようになります」
「どのくらいかかることやら……」
「それは当人達次第ですね」
ケース・バイ・ケースですよ。
と、微笑うと、彼はカウンターの上に広げた本のページを繰った。
「そうそう、事前に処置をして、馴らせておくことも忘れないで」
「……ちょっと可哀想じゃないかな」
「可哀想でも仕方ありません」
「でも、あんなの打ちつけたら痛そうだよ?」
「確かに痛みはあるんでしょうが、それは一時的なものです。後々、変なふうに傷付けて、痛めてしまうよりは余程いい」
「ああ、そうか」
「ある程度馴れてきたら、ここからが勝負です」
彼は急に真顔になった。
「大人しくさせて、首輪をかけさせればこちらの勝ち」
「首輪…………必要かな?」
「ええ、もちろん。これは、お互いが接するためのルールです。相手に自分の優位性というものをきちんと教えこまないと。この先、自分のいうことをきちんときかせるように、ね」
「なるほど」
「主導権は常にこちらがもつということを叩きこむんです」
「鞭は使わないの?」
「これからですよ。少し抵抗してくることがあるかもしれません。そういうときには鞭は効果的です」
「ああ、そうやって教え込むわけ」
「そう。でも、鞭にしたって、同じです。振るうときは、愛情をもって振るわないと」
「愛の鞭?」
「ベタですが」
苦笑し、続ける。
「『これは君のためにすることだ』、とわからせることが大事ですね」
「ああ、だから愛情が必要なわけ?」
「そのとおり」
「おい」
と、ふいに低い声が響いた。
入り口にはいつのまにか、ここのオーナーが立っている。両手で山ほどの荷物を抱えているところをみると、買い出しにでも行っていたのか。どうりで朝から見かけなかったはずだ。
「てめえら、何卑猥な会話してやがる」
「卑猥?」
何の話?
それおいしいの?
とでもいいたげに、二人は顔を見合わせた。
「しらばっくれんな!!」
と、酒場兼ホテル兼カフェのオーナーは怒鳴った。
「さっきから黙って聞いてりゃあ、よくもまあ……ここは、俺の店だ!品位を下げるな!不穏当な会話すんならよそでやれ!!」
その言葉に英国紳士は肩を竦めると、意味深な笑みを残して、「では、私はこれで」と、席を立った。
「別に何も不穏当な話なんてしてないけど?」
「黙れ」
と、店主はとりつくしまもない。
「なあ、ボビー。今の会話を真っ昼間から素面でできるなんて正気か?ええ?」
「え?あ、うん?」
「毒されてんな、おまえ」
あの英国紳士が得体の知れない人間だということは十二分に承知していたけれど。
限度がある。
これは予想の範囲外だ。
「どこをどうしてあんな会話に流れついた?」
頼むから常識的な回答をしてくれ。
と、内心で重い溜息をつきながら、酒場兼ホテル兼カフェのオーナーは、新入りの元銀行のボンボンに訊いた。
「馬、育てようと思って」
馬。
奇蹄目ウマ科。哺乳類。
「う、ま…………?」
「うん。馬。せっかく西部の広いところにきたんだし。どっちかっていうと、乗るための馬ね。農業用じゃなくて」
「…………」
「みんなに訊いても、『勘』とか『そのうち馬の気持ちがわかるようになる』とか、ロクな答えが返ってこないんだよなー」
なんぞというこたえは、既にランクの耳には入ってなどいない。
「ああ、そうだ」
ふと、階段の途中まで行っていたユージーンは、引き返してきて、手にしていた本をボビーへと差し出す。
「これ、御参考までに」
「あ、どうもー」
渡された本の表紙にはばっちりと『馬の育て方』と書いてある。
「卑猥なのはどうやらあなたの頭の中のようですね」
ランクに向けて、これ以上ないというくらいにこやかに微笑むと、英国紳士は再び軽やかに階段を上っていった。
end
なんのオチもないままにおわる。
ぜってー、確信犯だと思うんだ、ユージーンは。
オチがばれてしまうのでどうしても使えなかったんですが、正しくは「首輪」じゃなくて「轡」ですね。
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